大沼に伝わる伝説 淵野辺義博の大蛇退治

淵野辺義博の大蛇退治(ふちのべよしひろのだいじゃたいじ)

 

 昔々、今から620年も前のできごとです。

鎌倉時代といって、日本の中心が神奈川県の鎌倉にあった頃のお話です。

このあたりに、淵野辺義博という勇敢な武将が住んでいました。

昔の人は、住んでいる土地の名前を自分の名字にしていました。

だから「淵野辺」義博なんです。

さて、この大沼にはおそろしい大蛇が住んでいました。

この大蛇は、洪水を起こすなど、まわりに住んでいた人々を困らせていました。

そこで、勇敢な義博は、部下をひきいてこの大沼にやってきたのです。

義博がやってくると、大蛇が大沼からそのおそろしい姿をあらわしました。

たちまち、はげしい戦いがはじまりました。

義博たちも勇敢に戦うのですが、大蛇の強さは考えていた以上です。

なかなか決着がつきません。

しかし、ついに義博の射た矢が大蛇の体を突き抜けました。

さすがの大蛇もここまでです。

大蛇の体はバラバラに飛び散りました。

大蛇の頭が落ちたところには「龍頭寺」、胴が落ちたところには「龍胴寺(龍像寺)」、しっぽが落ちたところには「龍尾寺」の三つのお寺が建ちました。

そして、大蛇のことを『龍像権現』としてお祭りしました。

「権現」というのは、神様のことです。

おそろしい大蛇はこの後、みんなの守り神になったのです。

 

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更新日:2023年07月13日 13:50:56